いよいよ梅雨が始まり、色とりどりの紫陽花が咲きほこる季節になりました。
今年の梅雨入りは遅くなると聞いていたような気がしてましたので心の準備がないまま春が終わってしまいなんとなく消化不良気味です。
今回は6月1〜3日に開催された「インテリアスタイル展」のリポートです。
以前のインテリアライフスタイル展というと海外からのおしゃれな雑貨や
日本の伝統技法を取り入れた製品やアイディア商品などがメインだったように思いますが、5〜6年前からは「エコ・エシカル・アップサイクル」といった環境問題に取り組んだ商品の割合が飛躍的に増えました。
世界的な流れとして当然のことのように思いますが、少し前までは「確かにエコな素材だよね」「廃材からこんなのもできるんだ、すごい!」・・・でも、いかにもって感じで自分が欲しいかどうかはちょっと別かな。。。というのが本音でした。
ところが、今回のインテリアライフスタイル展では一気にデザイン的にも製品としての完成度もクオリティーが上がっているなと思いました。
言われなければ廃材だとわからないもの、アップサイクルしたことで新たな付加価値感を生み出していたものなど、コロナ禍で展示会がしばらく開催されていなかったうちに各メーカーさんが色々な取り組みをされていたことが伝わります。
素材とデザインとアイディアとその商品の存在意義、これらが揃った時に「欲しいもの」が生まれるのだなと改めて感じた展示会となりました。
■アップサイクル
「ジーンズの生地で」
特に気になったのがこの「tumi-isi」。
何と言っても手触り感!
硬くコツコツとした「isi」でありながら柔らかく手に吸い付くような感触が新しい素材感です。布を高圧縮するとこんな滑らかな手触りになるんだと感動しました。
布とサトウキビの廃材からできているとの事。
そのほかのグッズも高クオリティー。
「セメント建材とカリモク家具」
外装材メーカーとカリモク家具のコラボレーション。
どちらも製造過程や施工現場でどうしても出てしまう廃棄材を使用。
設計事務所やインテリアデザイナーがプロデュースしたグッズです。
いつもは垂直に使用されるものを水平に展示する事で新たな可能性が見えてきそうです。
■エシカル
「フィッシュレザー」
漁業の町で立ち上げられたブランドで魚の皮になめし加工を施した「魚の革」
ブリと真鯛とスズキの3種があるそうですが強度的には牛革にも劣らないとの事。
「ピッグスキン」
柔らかく染色性が良いという豚の革の特性を生かした繊細なアクセサリー。
■継承と再生
「ビワコットン」
伝統産業である「縮」の技術を生かしたTシャツ。
江戸時代から続く技術で、元々はステテコの生地として作られていたとの事。
「KAPPOUGIとMONPE」
昭和の機能的な作業着を時代に合わせリデザイン。
「桐のたんす」
先祖代々が使ってきた家具を現代のインテリアや用途に合わせてリメイク。
■気になった素材
「組子パネル」
六角形の六辺に磁石が埋め込まれていて自由に組み替えて展示できるパネルです。
伝統的な和の意匠ですが配置のリズムにランダム感が出る事でモダンさが増すように感じます。
「モルタルシート」
モルタルに繊維を混ぜた紙のように扱えるシート。
他にも様々に商品展開
「石材」
こちらは石材の採掘や加工、輸入販売など希少な石材を取り扱っている会社です。
特徴的でインパクトのある石材を多く取り揃えているバーチャルショウルームは時々のぞいていたのですが、小物の制作をされているのは知りませんでした。
A5位のサイズの壁面装飾パネル。
変わった石柄を見ると石目模様が生成された過程、地中深く太古の昔の記録を想像してしまいます。
「セラミックのコーヒーフィルター」
いつもはついつい急いでお湯を注いでしまって溢れさせがちですが、これなら植物に水をやるようにゆっくり注げそうです。
■アウトドア用品メーカーの新たな展開
スノーピークと建築家隈研吾氏のコラボによるトレーラーハウス「住箱」。
数年前から販売していたようですが、今回展示のメインであるユニット家具も含め屋外から屋内への展開になっています。今後は屋外専用のアイテムは作らないとの事。
「街づくり」
2022年10月 新潟県に34区画の分譲地と8戸の賃貸住宅からなる住宅エリアと商業エリアの街「野きろの杜」が誕生する。
スノーピークはアウトドアリビングや広場の監修などを担当するとの事。
今回はなかなか見ごたえのある展示会でした。
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今後も展示会リポートお届けしていきたいと思っておりますのでご購読いただけましたら幸いです。