陶芸窯を使って、ガラス作家さんのご指導のもと、
ガラスフュージングをしました。
ガラスフュージングとは
電気炉で板ガラスを熔かして器やアクセサリーなどを作る技法です。
今回の目的は、
1、窯ぐせを知る
2、陶芸の窯とガラスの窯が併用ができるか
3、石膏、ケイカル板が型として使えるか
以上3点を明確にすることです。
1つめの窯ぐせは、
炉内温度の上がり方、下がり方、
窯の中の位置によって温度のムラがあるので
どこが一番温度が高くなるのかなど把握します。
このように並べて熔け方の具合からクセをみます。
また、板ガラスによっては熱を加えることで色が出るものもあるので
その発色も確認します。
並べる際にはアルミナでできた紙を敷いて、棚板に付くのを防いでます。
はじめは紙ですが、焼けるとホワホワな粉になります。
焼成プログラムは作家さんが通常やっているものを
ほぼ転用させていただき、
最高温度770℃まで全力で上げて15分温度キープ。
482℃で30分キープ、これは熱割れ防止のため。
そのあとは100℃まで全力で下げる設定です。
(この全力とは0時間で770℃まで上げるといったものです。)
できたものがこちらです。
作家さんが言うには想定していた770℃より低い熔け方だそうです。
写真左の色のツブツブは、もう少し熔けて
下の透明ガラスと同化するイメージでした。
右もイメージとしてはもっと熔けて丸い形になるはずでした。
発色に関しては問題なく、中央のブルーとイエローは綺麗に出ています。
以上のことから、使用している窯は
設定温度より気持ち低い温度で、
気密性が高いので冷めにくく、
手前側の扉近くは炉内でも若干温度が低いかな?
くらいのクセがあることがわかりました。
2つめの陶芸と併用できるかの心配は、左写真の中央に出ています。
おそらく前回のやきもの焼成時に黒い土を置いた箇所です。
アルミナシートが黒くなっただけでガラス自体には影響はないので
併用は可能とすることにしました。
焼けることがわかったので、
次は今回の目玉テスト、型が使えるかどうかです。
型はこの2種類を使います。
左が石膏、右がケイカルを切削したものです。
板ガラスを専用の「くい切り」というニッパーのような道具で
細かくパキパキカットしていきます。(楽しい)
カットしたガラスを型に敷き詰めます。
もう一つはシンプルに板ガラスを乗せてみます。
今度の焼成はプログラムの時間は同じで、
最高温度を800℃に変更しました。
焼けたものです。
ガラスの盛りが足りなかったので穴が空いてしまいましたが、
石膏型の凹凸はしっかり拾っています!
こちらもやわらかく凹凸を拾っています。
どちらも離型剤を使っていたのもあって
すんなり型から外れました。
ガラスには
熱が加わると丸くなりたがる性質と
重ねて厚みがあっても6ミリになりたがる性質があるようで、
そのためにこのような独特な丸みになるのでしょうか…
丸くても端は鋭いバリがあるので研磨必須です。
そしてこちらはジェスモナイトという樹脂です。
熔けて混じることを期待して、
ガラスを乗せて窯に入れてみました。
粉砕しました。
ですが、上に乗せたガラスは
ジェスモナイトのテクスチャーを拾っています。遺影ですね。
このように失敗しながらも試行錯誤を繰り返し、
アスカルならではの視点で、
デザイン型との組み合わせ、
素材との組み合わせを研究してまいります。
どうぞご期待ください。
また、インテリアで使ってもらえるような商材へと、
昇華させていきたいです。
ご一緒にプロジェクトご参加してもらえるメーカー様、募集中です!
〜番外編〜
陶芸もガラスも窯に入れると1日は出すことができません。
そこでワークショップで何かできないかということで、
現在作っているアロマストーン・コースターの型に
ガラスを混ぜた石膏を流し込んでみました。
ガラスに重みがあるので石膏を入れても浮くことなく、
削り出せばテラゾーのようになりそうです。